地域の昔話の紹介

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「お稲荷さんの話」

 あんなあ、向内のお稲荷さんの話してやろか。 大正十年ごろやったやろか、お稲荷さんの西に鶴吉云う人がおっちゃってなぁ、鶴吉っつぁんは、白道路の生まれやったけど若いとき台湾へ渡られて、巡査はんをやっとっちゃったそうや。その鶴吉っつぁんがそこへ帰ってきちゃって「写真屋」を始められたんやけどこんな田舎で儲かるわけあ...

「高浪権現と鎌倉塚の話」

 古来、白道路村内高浪山の中腹に、通称『高浪権現』と称する神社が鎮座されておりました。延喜式神名帳にも記された式内社(式内社とは国の公的な神社として、国等からお供物が捧げられる地位の高い神社)で『河牟奈備神社』のことであり、この土地の人はこの山を神霊視し、病人があるとか怪我をするとかの場合には、『神浪神社』へ...

「蛇の執念」

 あんなぁ、昔白道路村になぁ、お品というたいそう働き者のばあさんがおっちゃたんじゃって。 ある年の初夏のことじゃったげなけどなぁ、お品ばあさん綾部に急ぎの用事ができてええ、何でもその日の夜明けまでになぁ、綾部に着くんじゃ言うてええ、まだお星さまのでているうちにええ、家を出ちゃったじゃってえ。 お品ばあさん尻坂...

「夜嵐の矢の話」

 昔々(江戸中期頃)丹波の国志賀の郷に、『夜嵐』と呼ばれるめっぽう力の強い大男が住んでおりました。この大男、一夜のうちに八反も田を起こしたとか、普通の人が三人かかっても引けないような豪弓でも、軽々と扱うほど力持ちでした。 大男、大変な力持ちでしたが性格は温厚で、自分の力自慢をするぐらいで、郷人達にも可愛がられ...

「不動尊の話」

 文政(西暦一八一八~一八四六 仁孝天皇)の頃、白道路に住まいする農家の父子が、高波山の東麓に草刈りに行き、息子が何心なく渓谷に放尿しましたところ、にわかに息子のある一部分が腫れて痛いと泣き出した。父親が驚き不思議に思って、放尿せしところを掘ってみたところ、地下三尺の所からその丈、二尺余りの石像を掘り当てたが...

「遠坂のお地蔵さん」

 あんなぁ、遠坂のお地蔵さんの話をしたろか。 遠坂はな、昔交通の要所になっとったんやで。昔は綾部へ行くのも、園部や京都へ行くのも、歩いて行ったもんや。白道路の人はもちろん、志賀郷の人々は、狭間の鍋倉とお毛を通り、向内へ出て遠坂峠を越えて、有岡村へ一里、そして綾部へ二里あり、園部へ着くのに二日から三日もかかった...

民話の世界

世代を超えて心をつなぐ、懐かしい民話の世界 日本には全国各地に、たくさんの民話が伝えられ、白道路にも色々伝えられています。 子供の頃、夜寝る前におじいさんやおばあさん、お父さんやお母さんが語ってくれた話。聞いているうちに、なんだか暖かい気持ちになってゆく・・・ そんな懐かしい記憶・民話は人々の心を優しく育てて...

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